医療法人社団 靭生会

江戸川プラスクリニック

開院時間 平日 9:00~12:30/14:00~17:30 9:00~12:50 【日・祝 休診】
免疫細胞療法

免疫細胞療法

体内の免疫細胞を取り出し、活性化物質などで加工し、培養して戻す治療を行います。

NKT細胞標的治療とは

NKT細胞標的治療とは、免疫機能に重要なNKT細胞を活性化させ、総合的に免疫機能を改善し、がんを攻撃する治療法です。

がんは免疫の攻撃から逃れている

体の中には、自分以外の細菌やウィルス、がん細胞などを攻撃して体を守る「免疫」という仕組みがあります。 しかし、がん細胞は増殖をはじめると、免疫からの攻撃を逃れるために、いくつもの方法を駆使して、免疫が機能しない(免疫抑制)状態にしてしまいます。

例えば、がん細胞は免疫抑制性サイトカインや免疫抑制細胞を作り出し、がん攻撃の司令塔ともいわれる樹状細胞を未熟な状態にしたり、攻撃部隊であるNK細胞やT細胞などを働けない状態にし、本来の免疫細胞の働きを抑えてしまいます。

このようながん細胞の免疫抑制メカニズムによって、がん細胞はがん組織内で増殖していきます。

免疫機能に重要なNKT細胞は、がんに対してうまく反応して活性化することができない

NKT細胞は、T細胞、B細胞、NK細胞に続く「第4のリンパ球」と呼ばれている免疫細胞です。

通常、細菌やウィルスなどが侵入すると、病原体から出る物質によってNKT細胞は活性化します。 活性化したNKT細胞は、攻撃部隊であるNK細胞やT細胞などを活性化し増殖させるなど、免疫にかかわる重要な役割をしています。 しかし、NKT細胞は、がん細胞が元は自分の細胞であるため、活性化する物質がなく、がんに対して十分に活性化することができません。

NKT細胞を人工的に活性化することで、がん組織内の免疫抑制状態を改善させる可能性

NKT細胞は免疫機能に重要な役割をもつものの、そのままではがんに対して十分に活性化することができません。 しかし、最近の研究で、糖脂質の「アルファ・ガラクトシルセラミド」を用いると、人工的にNKT細胞を活性化することができ、活性化したNKT細胞によって、がん組織内の免疫抑制状態を改善させることがわかってきました。

活性化したNKT細胞には以下の効果が期待できると考えられている

  • がん攻撃の司令塔といわれる樹状細胞を成熟する働き
  • がんの攻撃部隊であるT細胞、NK細胞などの免疫細胞を活性化し、増殖させる働き
  • がんによる免疫抑制を制御する働き(チェックポイント阻害作用)
  • がんに栄養を届ける血管が作られないようにする働き(血管新生阻害作用)
  • がんに対する長期の免疫記憶を作りだす働き(長期免疫記憶の獲得)

NKT細胞標的治療

NKT細胞標的治療は上記のような作用を利用した治療法です。

この治療法は、理化学研究所の基礎研究と国立大学における臨床試験(先進医療B)として行われた技術をもとに株式会社理研免疫再生医学が独自開発した治療法「RIKEN-NKT™」です。

患者さんの血液から採取した単球から分化・誘導させた樹状細胞を十分な日数をかけて成熟させ、この樹状細胞に「アルファ・ガラクトシルセラミド」を取り込ませ、細胞表面に「アルファ・ガラクトシルセラミド」と抗原提示分子であるCD1dを提示するようになった樹状細胞を患者さんの体内に投与することで、体内のNKT細胞の活性化を狙う治療法です。
(副作用として、軽い発熱や倦怠感を認める場合があります。)

nkt細胞標的治療

NKT細胞標的治療をお考えの方へ

1

医師との面談

診療情報提供書(紹介状)をお持ち下さい。
採血検査(感染症等を含む)を行います。

矢印

採血結果で問題ないことを確認
(約1~2週間後)

採血結果で問題ないことを確認
(約1~2週間後)

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2

成分採血

血液の単球成分を採取するための成分採血を実施します。1度の成分採血で4回投与分を採取します。
所要時間は3~4時間程度です。
(ソラリアクリニック東京で行います。)

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3

培養

培養施設でNKT細胞を活性化させる樹状細胞を作ります。

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4

投与

原則、2週間おきに4回皮下注射を行います。

NKT細胞標的治療 料金

(税込)

初診料 30分 11,000円
30分経過後 15分毎 5,500円
感染症等検査費(初回) 55,000円
感染症等検査費(3ヶ月後) 38,500円
NKT療法費用 3,459,500円
輸送費 168,000円
担当医
当院では、原則、日本臨床腫瘍学会認定のがん薬物療法専門医が診療にあたっています。
がん薬物療法専門医とは、臓器横断的な正しいがん薬物療法をおこなうために、日本臨床腫瘍学会が認定している専門医です。学会認定の研修施設で研修を修了し、複数のがん種の経験、病歴要約、筆記試験、面接などで審査される難易度の高い資格です。
現在、1,458名が認定されています(2022年2月25日現在)
明星智洋

明星 智洋Tomohiro Myojo

明星智洋
  • 江戸川病院 腫瘍血液内科部長
    がん免疫治療センター長/プレシジョンメディスンセンター長

    わが国では、2人に1人ががんになる時代になってきました。
    もはやがんは他人事ではありません。

    しかし、この10年ほどでがん治療も飛躍的に進歩してきました。
    新薬も多く開発されており、その薬剤をきちんと使いこなせば、がんは恐れる病気ではないと考えています。

    当クリニックは、抗がん剤の専門医である、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医が在籍しており、安心して、がん治療を受けることができます。

    まずは、気軽にご相談いただければと思います。

認定資格

  • 一般社団法人 日本内科学会認定内科医
  • 一般社団法人 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • ICD制度協議会インフェクションコントロールドクター(ICD)
  • 一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会Total nutritional therapy 修了
  • 特定非営利活動法人 日本緩和医療学会緩和ケア講習会修了
  • 公共社団法人 日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医
  • 一般社団法人 日本血液学会血液専門医・指導医
  • 公益社団法人 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医

略歴

2001年
熊本大学医学部 卒業
岡山大学医学部附属病院 腎・免疫・内分泌・代謝内科
国家公務員共済組合連合会 呉共済病院内科
2003年
国家公務員共済組合連合会 呉共済病院血液内科医員
2004年
国家公務員共済組合連合会 虎の門病院血液科
2005年
がん研究会有明病院 化学療法科・血液腫瘍科
2009年
江戸川病院 腫瘍血液内科

主ながん治療法